第1回 サラリーマンと不動産投資家の両立

Know-how for the salaried worker

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はじめまして
サラリーマンと不動産投資家の両立に取り組む早杉富士夫です。

私は銀行員として社会人のスタートを切りましたが、バブル崩壊に伴う金融危機を境に生活の安定感が大きく損なわれ、平凡なサラリーマン生活では身を守れないと感じ、多忙な本業の傍ら、一人でもチャレンジできる不動産投資に興味を持つようになりました。

しかし、リーマンショック後の市況悪化や父親の他界に伴う相続トラブルなどもあって投資のタイミングを計りかね、不動産マッチングサイトの「楽待」などで物件検索や資料請求を行うほか、セミナーなどにも顔を出し先輩投資家の話を聞くものの、投資のリスクに躊躇し、物件評価や銀行借入の要件などにも不慣れで不安ばかりが先に立ちました。
元来銀行員は人や会社に融資することが仕事なのですが、自身が借金するとなると人一倍臆病な習性なのかもしれません。
銀行員時代に融資やリスク管理を専門としながら、いざ逆の立場になると、不動産評価方法や銀行借入に必要な事業計画書、リスクヘッジの具体策など、顧客に当たり前に要求してきた資料を作成することさえ、どのように書けば良いか思案している自分自身に呆れるというか、こんなに実業に疎かったのかと愕然としたことを覚えています。

悶々とする日々を過ごしていたある時、銀行員時代の友人からある不動産投資家の方を紹介されました。
この方は大手不動産会社に勤務後脱サラし一人で国内、海外で不動産投資を積極的に行っており、不動産投資セミナーでは講師として自信に満ちた語り口で投資理論を話され、私にとっては眩しすぎる存在でした。

数ヶ月が経ち、東日本大震災の傷跡も残る時期に、ある投資案件(駐車場購入)について思い切ってこの方に相談してみました。
そうしたら一刀両断で「この案件は止めなさい。なぜなら北側道路との段差や斜線規制等により容積率がフル活用できないこと、一階は道路から覗かれやすいのでテナント付けが難しいこと等から、結果として投資利回りは7%程度でフルローンを前提とすればキャッシュフローが厳しく、逆算すると土地代が高すぎる印象。」まさに目からウロコの指摘でした。
この人だと直感した私はすぐに不動産投資物件の紹介・物件評価・契約交渉・物件管理に関するアドバイザリー等を含めた包括的な顧問契約(1年間)をお願いし、二人三脚で物件探しの傍らで不動産投資のイロハを叩き込まれました。

それ以降私の不動産投資が本格的に始まりました。
現在では国内3物件(78戸)、海外3カ国5物件(5戸)を所有しています。
最初の物件取得までに3年以上費やしたのにその後はわずか3年で8物件まで増えました。
私にとって不動産投資のメンターの存在が如何に重要であったかがおわかりになるかと思います。
もちろん、顧問料はサラリーマンにとって決して安くないですが、マンツーマンの英会話スクールに通うと思えば我慢できる水準ではないでしょうか。
腕のいいメンターはそれほど多くなく、まずは費用よりも人物選びが重要であると感じています。

私の不動産投資の手法は、①インカムゲイン、②キャピタルゲイン、③タックスコントロールの3つの目的に分けて個々の物件を取得しています。
①から③は上手く行けば同時に達成することもできますが、欲を考えず、どれか一つを優先し、取得の目的を明確にすることが肝要です。
次回以降は、これまでの不動産投資を振り返りながら、私が実際に経験した投資の実情や失敗談などを皆さんにお伝えしていきたいと思います。