第6回「投資理論と投資哲学① ~リスクとリターン~」

The secret of real estate investment success

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不動産投資のリスクとリターンの考え方

ローリスク・ハイリターン(投資リスクは低いが運用益は高い)商品などという完全に論理矛盾の表現を用いている業者があります。
このような商品を作ることは100%できませんし、投資を全く理解していない人の発言にほかなりません。

リスクとリターンは常に表裏の関係にあります。
基本的には、高いリターンを求めれば当然にリスクは高くなります。
また、低いリスクであればリターンも低くなります。
この当然のことを常に頭に入れて投資を行う必要があります。

たまたま良いリターン(運用益)が得られた投資があったとします。
それは、投資している本人は気が付いていなかったとしても、結果的に大きなリスクを取っていたことになります。
ハイリスク・ハイリターン、ミドルリスク・ミドルリターン、ローリスク・ローリターン、これらはどれも成り立ちますが、ローリスク・ハイリターンが成り立たないことと同様に、ミドルリスク・ハイリターンも成り立ちません。

シンプルに「リスクとリターンは表裏である」ことを常に頭に入れておかないと、思わぬところで大きなリスクを取ってしまうことになりかねません。
ただし、ある程度の幅がありますので、リスクの低減やリターンの向上が全くできないわけではありません。
一方で、ハイリスク・ローリターンは残念ながら存在しています。
悪質な業者の商品には、リスクは高いがリターンがでない、あるいは最初から損をするような商品もありますので、注意が必要です。

不動産投資のリスクとリターンの考え方

「リスクとリターンは表裏である」ということは、リスクこそがリターンを生み出す源泉であることを意味しています。
「この投資にリスクがありますか?」と聞かれることがありますが、期待リターンがある以上、当然にリスクがあることになります。

また、「考えられるリスクをすべて教えてください」と言われることもあります。
残念ながら、神様でもありませんので、すべてのリスクを洗い出すことも不可能です。将来の不確定性・不確実性にお金を投じて、そのリスクの度合いに応じてリターンを得ようとする行動が投資です。
このことは、リスクの分析が不要であることを意味していません。詳細なリスク分析は、リスク顕在化の際に損失拡大を防ぐことにも役立ちます。