第4回「不動産投資の魅力② ~日本における不動産投資の将来展望~」

Future prospects for real estate investment in Japan

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第4回は、「日本における不動産投資の将来展望」というテーマで諸外国と日本の状況を比べながら解説を進めてゆきます。

「東京の土地は、相対的にはニューヨークより安い」といったことを根拠に「将来、値上がりするに違いないから購入すべきだ」などという経済紙の記事を見ることがよくあります。
確かに、不動産価格は単純に需給のみによって決まるわけではありませんが、「相対的に安い」ということが将来の値上がりとどの程度の関連性を持つのかは何とも言えません。
なぜなら、東京はニューヨークではありませんし、日本は米国でもありません。
つまり、東京が将来、ニューヨークになる訳ではありませんので、この「相対的安値」というのは、何となく説得させられますが、必ずしも論理的ではないと思います。

ある都市の人口に増減が無くても、人口に占める富裕層の割合が増えたらどうなるでしょうか。
おそらく、土地の価格は上がっていくでしょう。富裕層は、購買力がありますので、より自分の好みに合う土地を見つければ、高い価格で購入することを厭いません。
シンガポールのように「富裕層を優遇する政策」を採っている都市では、世界中から富裕層が集まって来て、不動産購入に限らず、積極的な消費行動によって経済が活性化しています。
これに対して、日本は「富裕層に厳しい税制」を採用していますので、海外に目を向ける富裕層が増えており、シンガポールとは逆の現象が起こっていると言えます。

ニュージーランドやオーストラリアでは、継続的に移住者を受け入れる政策が採用されています。
これらの国では、富裕層でなければ移住は容易ではありません。移住者は「難民」ではありませんので、一般に「富裕層」がこれらの国に移り住んでいます。
国外から富裕層が流入してくると、彼らは自らの住居を購入します。これは、国家の経済の観点からは、いきなり「真水」が入ってくることになり、経済面においては高い効果を発揮します。
実際、ニュージーランド(特にオークランド)の不動産価格はこのところ継続的に値上がりしています。

日本の人口が今後は減少していくこと、富裕層に厳しい税制を採用していること、富裕移民を継続的に受け入れる政策を実施していないことを考え合わせると、日本の不動市況の将来は明るいとは言えません。
また、日本の税制は全世界所得をベースに課税されること、贈与税・相続税が存在することなど、日本はアジア諸国の富裕層にとって魅力に欠ける国となっています。
このことも、日本の将来の不動産市況を悲観的なものとしています。

次回はいよいよ「不動産投資成功の秘訣」というテーマでお送りいたします。次回もお楽しみに。