トランプ氏の選挙戦勝利、海外からのロンドン不動産への需要を加速
Trump Victory Seen Spurring Foreign Demand for London Property
ドナルド・トランプ氏の大統領選勝利はロンドン不動産マーケットにとっては優位かもしれません。
不動産ポータルサイトの運営者であるRightmoveによると、トランプ氏の大統領選勝利という衝撃は、安全な投資先を探している海外の投資家の帰還に拍車をかけるかもしれない、と言います。
この5カ月間でロンドンの募集価格が下落した一方、下落率0.3%という数字は、過去6年、毎年11月に見られてきた平均の下落率である1.5%と比べ、かなり小さいと、月曜日に発行された報告書では言っています。
まだ、顧客が戻ってこられる位にまで価格が再調整されていると言うには早すぎるけれども、様々な通貨でアセットを持つ顧客で、対英ポンドで利益が出ている人はまた購入するでしょう、とRightmoveで不動産マーケットのアナリストであるMiles Shipside氏 は言います。
"海外の投資家にとって、安全な投資先としてのロンドンのステータスはアメリカ大統領選挙の驚きの結果によって、確かなものとなったでしょう。"
トランプ氏の勝利は世界中の株式市場で反発の火種となりましたが、この次期大統領の政策が、インフレ加速を引き起こし、より高い金利見通しの懸念から、世界中の債券の価値の1兆ドル以上もぬぐい去りました。また、投資家たちには、ハイリターンであるはずの新興国マーケットのアセットから撤退させています。
不動産のエージェントであるStrutt & Parkerは、常時わずか2%程しか占めていないはずの北アメリカの顧客の間で、ロンドン中心部の不動産への需要の高まりが予測されていると言います。
"彼らは、今現在は、まだマーケットの大部分を占めているわけではない"
と、リサーチ部門のヘッドであるStephanie McMahon氏は言います。
"アメリカ大統領選挙のトランプ氏の勝利に従い、この傾向が変わる可能性もありえる。"
ロンドンで最も値段の高いエリアは、6月23日の国民投票と4月の不動産投資の税制改正以降すっかり人気が落ちてしまいました。投票から56日目、ロンドン内外で不動産売却に費やす時間は4月から1/3程上昇していますが、その他の地方では、それをはるかに下回る水準のままであります。
Rightmoveは、通常、不動産売買が鈍化する月である11月、イギリス全体の住宅の平均価格は1.1%下落したと言います。全体の住宅の平均値は、305,670ポンド(386,000米ドル)で、これはロンドンの住宅平均値である643,838ポンドの半分にも満たないと言います。
この記事は、2016年11月14日に『Bloomberg』に掲載された「Trump Victory Seen Spurring Foreign Demand for London Property」を翻訳しております。