【アメリカ】未竣工物件販売、8月は低迷月間ベースでは、2016年で最も遅いペース
U.S. Pending Home Sales Cool in August, Slowest Monthly Pace in 2016
全米不動産協会によると、未竣工物件売買は7月に回復した後、8月は4カ月で3度目の、2016年1月から最低のレベルにまで落ち込みました。
未竣工物件指数は契約件数をベースとした先行指数で、111.2ポイントに下方修正された7月より、8月は2.4%ダウンの108.5ポイントとなり、今では2015年8月よりも少しばかり(0.2%)低くなっています。先月の低迷で、この指数は今年1月に記録した105.4ポイントに続き、2番目の低さとなっています。
全米不動産協会のチーフ・エコノミストであるLawrence Yun氏によると、苦しい供給レベルは、今年始めに経験した住宅マーケットの勢いから、息を切らせていると言います。
“高い在庫水準が住宅購入者に幅広い選択肢を与え、より良い売買契約をもたらしている東北部を除き、8月の売買活動は国全体では弱まっている”
彼は言います。
“他のほとんどの地域での見込み客数の上昇は、在庫不足による住宅価格の急こう配、もしくは、値ごろな物件数の少なさによる落胆によるもののようだ”
Yun氏によると、より多くの新築住宅建設なしに、今の住宅の回復はありえないという根拠が集まっていると言います。住宅在庫は対前年比で15カ月連続減少しています。8月の不動産は2015年8月よりも11日ほど早く売れ、前月の5.1%の上昇の後、既存の住宅価格は54カ月連続して対前年比で上昇しています。
今後数カ月は、季節的な新築住宅の減少が予測されており、それは価格上昇を加速させ、見込み客にとって値ごろな住宅を見つけるのをますます難しくさせます。
今月上旬、全米不動産協会は、一戸建て住宅建設が雇用創出と足並みをそろえておらず、地下鉄エリアの80%では不足しているという新しい調査を公表しました。
既存住宅の乏しい供給レベルと相まって、タイトな在庫状況は、国中の多く大都市で値ごろ感の妨げになり続けます― 特に西部では。
“今の状況であれば、6月がピークである周期的な販売ペースに戻る余地はほとんどない”
とYun氏は言います。
前月の低迷の後、Yun氏は2016年の既存住宅販売は5.36ミリオンくらいになり、2015年より2.1%増、2006年(6.48ミリオン)以降年間ペースで最も高くなると予想しています。全国平均の既存住販売価格の成長は、今年は約4%上昇するだろうと見込まれています。
地域別詳細
北東部の未竣工物件販売指数は8月は1.3%上昇の98.1ポイントで、今の所1年前よりも5.9%上昇しています。8月の中西部の指数は0.9%減少の104.7ポイントで、これは2015年8月より1.7%低い水準です。
南部の8月の未竣工物件販売は3.2%減少の119.8ポイントで、去年の8月よりも1.5%低くなっています。西部の指数は5.3%減少の102.8%で、一年前より0.6%低くなっています。
この記事は、2016年9月30日に『World property journal』に掲載された「U.S. Pending Home Sales Cool in August, Slowest Monthly Pace in 2016」を翻訳しております。