ロンドンで最も安い地域の住宅価格、最も高い地域よりも急速に上昇し、“逆の波及効果”が発生

House prices:London is hit by 'reverse ripple effect', as prices in the cheapest boroughs rise faster than the most expensive areas

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報告書によれば、ロンドンの多様な住宅マーケットは非常に異なる比率で成長していることが明らかになりました。また、この報告書は投資する際の長期的視点の重要性を強調しています。

これは、ロンドンの「逆波及効果」が活発になっており、郊外の不動産価値がロンドン中心部よりも急速に高まっている事を示した新しい報告である。と、報告書では強調しています。

不動産業者であるJackson-Stops&Staffの分析によると、ケンジントン、チェルシー、そしてカムデンを含む最も高価な首都ロンドンの5つの地区の価格は、過去10年間で110%上昇し、451,000ポンドから947,000ポンドにまでなったが、去年はこの成長率がわずか2.5%に留まったそうです。

逆に、ロンドンで最も安いとされる5つの地区ではこの1年で20%もの価格上昇が起こり、クロイドン(Coldydon)やバークティング(Barking)やダゲナム(Dagenham)などの地区では、過去10年間で451,000ポンドから344,000ポンドまで、68%上昇となりました。

  • EveningStandard2017
    引用 : "House prices:London is hit by 'reverse ripple effect', as prices in the cheapest boroughs rise faster than the most expensive areas"
"買い手側も売り手側も、この報告書から重要なメッセージを学ばなければならない。特に、意思決定のプロセスには、長期的な不動産マーケットの見通しが必要不可欠だ。"

と、Jackson-Stops&Staffロンドンのセールスディレクターである、Toby Whittome氏は言います。

"今、我々が今見ているような、マクロ経済や政治問題によって引き起こされる価格変動により、全体像をあいまいにしてはならない"

ロンドン内部

昨年、主要な不動産マーケットは、印紙税の増税とBrexit後の不透明感に打撃を受けました。 しかしこの報告書は、この傾向を打ち破り、短期的にも長期的にも優れている2つの中心的な都市として、サウスウォーク(Southwark)とランベス(Lambeth)を挙げています。 サウスバンクの豪華な高層住宅のブームにより、この地域ではロンドンで最も堅調な地域となり、売上高は前年比で114%増となりました。
募集価格はOne Blackfriarsのワンルームで1000万ポンド、Peckhamの1ベッドルームで225,000ポンドと、価格スぺクトルの各先端で買い手に何かを提供する様々な地区では、引き続き、価格は上昇すると予想されています。

また、新たにElephant & Castle(エレファント&キャッスル)とLewishamを結ぶBakerloo(ベーカールー)ラインの拡張のため、情報ツウの買い手たちは、これらの地区に魅了されています。

そして、それは南ロンドンのLambeth地区でも同様です。 Vauxhallの再開発地区や、比較的手頃な価格で有望とされるBrixtonとStreathamなどがあるこの地区は、2016年の住宅価格が最も急速に上昇した10都市のうちの1つでした。

ロンドン外部

中心部の物件には手が出ないロンドンの人々のために、都市部に行ける範囲である郊外の手ごろな物件の需要が、より高まっていることに驚きはありません。
過去1年間、最も安い地区であるBarkingとDagenhamの不動産価格は急騰し、平均住宅価格が246,955ポンドから288,873ポンドと、17%も上昇しています。

東ロンドンの再開発地区は、最近、最も利益の出る不動産投資の場所に指定されました。これは、最初の購入者である家屋の大家たちの間で競争が生まれ、それによって価格をさらに押し上げる可能性があることを示唆しています。

ロンドンの人口は着実に増加している一方、住宅の在庫がまだまだ低すぎるため、それがまた、郊外の住宅価格の上昇にもつながっています。

住宅価格の低迷は、安くて手狭な住まいから、段階的に、広くて快適な住宅に移り住んでいくことに苦労しているような人には良いニュースですが、不動産オーナーにとっては悪いニュースでもあります。買い側がいわゆる「手頃な価格」であったエリアに手が届かなくなる直前になって価格は上昇するものですので。

"緩やかな賃金上昇と住宅費・食費の急騰という負の組み合わせのために、不動産価格がどれくらい急速に上昇し続けるかどうかを予測することは難しい"

とRightmove社のディレクターであるMiles Shipside氏は述べています。

"住宅の購入が不可能になれば、需要の落ち込みにより、売り手はまた、住宅価格に打撃を受けるだろう"

この記事は、2017年2月3日に『Evening Standard』に掲載された「House prices:London is hit by 'reverse ripple effect', as prices in the cheapest boroughs rise faster than the most expensive areas」を翻訳しております。

翻訳元:
House prices:London is hit by 'reverse ripple effect', as prices in the cheapest boroughs rise faster than the most expensive areas