マンハッタンの物件を購入するまでの流れ

Flow up to buy Manhattan property

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マンハッタンの物件を購入するまでの流れ

購入プロセス

①購入条件の整理

使用目的・所有期間等の検討

自己使用か、投資用か、予算、何年所有予定かなど、購入条件をまずは整理しましょう。

購入費用の検討

物件の購入には物件価格に加え、下記費用がかかります。

  項目 コスト
1 権限保険料+調査料 購入価格の約0.5%
2 弁護士費用 $2,000~
3 登記費用 $100-200
4 固定資産税、管理費調整額 $500~
5* モーゲージタックス(ローン金額が50万ドル未満) 1.8%
モーゲージタックス(ローン金額が50万ドル以上) 1.925%
6* 銀行弁護士費用 約$700
7* 銀行手数料 ローン金額の0-2%
8* ローン申請費用 $300 - $5000
9** 譲渡税(州) 0.4%
譲渡税(市) 1.00% (50万ドル未満)
1.425% (50万ドル以上)
10** 売り手弁護士料 約$2000
11 ワーキングキャピタルファンド $1,000-2,000
12** マンションタックス(物件価格100万ドル以上)  
13 管理会社・組合書類審査費用 $1,500~
合計   (現金購入の場合)物件価格の2-3%
(新築の場合)物件価格の4-5%
(ローンつき購入の場合)物件価格の5-6%
* 5-8はローンをつける場合のみに限り、銀行によって違います。
** 9-10はスポンサーセール(新築物件など)のみです。

アメリカでは購入時には、仲介業者を通して購入した場合でも、仲介手数料はかかりません。
売却時には5~6%の仲介手数料が発生します。

<ローンの目安>
自宅の場合、モーゲージ(住宅ローン)金額・管理費・固定資産税・モーゲージ以外のローンの総額が、収入の28-33%ぐらいまでで借り入れ可能です。 物件を選ぶのと同時進行で、銀行、モーゲージブローカーに相談し、いくらまでローンがつくかを提示したpre-approvalあるいはpre-qualificationといわれる、仮承認書類を入手しましょう。すると、いざ物件が決まったときにオファー(購入希望の申し出)がスムーズに進みます。

エージェント(仲介担当者)の選択

米国の商習慣では、物件購入時に手数料はかかりませんので、自分専用のエージェントを雇う方が自力で探すよりずっとお得です。マンハッタンでは不動産協会の取り決めで、専任物件情報は全社で共有しますので、複数のエージェントを雇っても、見学できる物件は同じです。信頼できるエージェントをひとり選ぶ方が、複数のエージェントと見るより効率的で、信頼関係も築け、結果的により良い物件または条件での購入につながります。

②不動産会社へ問い合わせ

上記で決めた不動産会社に物件の購入希望を伝え、諸条件もあわせて伝えましょう。

③物件見学

物件選びのポイントチェック

いよいよ物件見学です。将来的な物件売却時の手離れの良さ、投資なら貸しやすさを考慮すると、次のポイントをチェックしましょう。

  1. 部屋の明るさ
  2. 静かさ(10階以下で交通量の多い通りに面した部屋は要注意です)
  3. 使い勝手の良さ(部屋のレイアウト、キッチン、バスルーム)
  4. ビルの設備が充実(ガレージ、ヘルスクラブ、ストレージ)
  5. ビルの管理状況
  6. ロケーション(交通の便、買い物の便)
  7. 治安の良さ
  8. 前方に建物が建つ可能性が少ないかどうか
  9. その地域の将来性

なお、眺めがある物件はマンハッタンでは大きな長所となり、貸しやすく、売りやすく、価格も上昇しやすい傾向にあります。

④Offer(購入の意思表示)を出す

条件提示

気に入った物件がみつかったら、オファー(購入の意思表示)を入れます。オファーには以下の条件を盛り込みます。

  1. 希望購入価格
  2. ローンを付けて購入か、現金購入か。ローンを付ける場合はその金額
  3. クロージング(最終引渡し)希望日
  4. 売主に直して欲しい修理個所

活発なマーケットでは、1日違いで別のオファーが受け入れられてしまうこともあります。気に入った物件を逃さないためには、タイミングよく動くことが大切です。また、ローンをつける場合、金融機関からの仮承認(pre-approval)が得られていれば、それを提示するとより確実性の高いオファーとみなされます。

⑤売買契約を結ぶ

弁護士の選定

ニューヨークの不動産売買取引には通常買い手側、売り手側が双方の弁護士を雇います。弁護士は売買契約書の作成や、最終引渡し時に弁護士はなくてはならない存在です。しかしながら、ひとくちに弁護士と言ってもその専門によって多岐に分かれていますので、不動産専門でかつマンハッタンのコンドミニアムを扱いなれており、できれば外国人購入者の知識を持った弁護士が最適です。又、大きな弁護士事務所は仕事を請け負う弁護士と実際の業務を担当する弁護士が違う場合が多々ありますので気をつけましょう。

<手付金お支払い>
一般的に契約時に売買価格の10%が手付金として必要となります。
<モーゲージコンティンジェンシー>
ローンをつけて購入する場合、ある期間までに(通常45日から60日に設定)ローンがつかなかった場合、買い主が契約を解除できる権利です。ローンをつけて購入する場合は、あらかじめ銀行から仮承認がおりていても、念のためこの条項が契約に含まれていることを確認しましょう。
*売り手市場のニューヨークではモーゲージコンティンジェンシーがつかないことも多くありますのでご注意ください。
<賃借人がいるかどうか>
現在賃借人がいる物件を投資用で購入する場合、現在の賃貸契約書が売買契約書の1部としてついてきます。その賃貸契約内容を漏れなく確認しましょう。
<ファイナンシャル・ステートメントの確認>
ビルの経営状態を示すファイナンシャル・ステートメントを取り寄せ、弁護士に内容をチェックしてもらいましょう。経営状態が良くないと、近い将来管理費が急に値上がりしたり、special assessment(特別修繕費)が課されたりするため注意が必要です。

⑥ローンの手続き

申込書の提出

買主の現在の収入や資産、ローンの借り入れ状況などの内容を記入し、銀行へ提出します。

物件鑑定の依頼

次に、ローンを申請された銀行は、物件鑑定士に物件の鑑定額を算出してもらいます。鑑定額が売買価格を下回る場合は、鑑定額を基準にローン金額が算出されることになります。

ローン承認レターの受け取り (Commitment Letter)

ローン申込書の内容や物件鑑定の結果をもとに、銀行からローン金額を約束する承認レターが発行されます。

⑦Closing(最終引渡し)前の諸手続き

タイトルサーチ

買主側の弁護士がタイトルカンパニーに依頼し、物件の所有権の確認、抵当権の有無を調査します。通常1-2週間で調査結果が出、調査結果に問題がある場合は、売主がクロージングまでに問題解決にあたります。

管理組合への入居認可

売買契約書のコピー、買主の申し込み関係書類をビルの管理組合に提出し、入居認可を得ます。この手続きは約2週間から1ヶ月かかり、ほとんどの場合は認可されますが、書類不十分で差し戻される場合もよくありますので、提出時にはエージェントに内容の確認をしてもらいましょう。管理組合がRIGHT OF FIRST REFUSAL(管理組合が同じ条件で物件を買い上げる権利を認めたもので、価格が市場価格よりはるかに低い場合などまれにこの権利が行使されます。)を行使して認可されないのは非常にまれです。

委任状の手配(Power of Attorney)

クロージングに自分が立ち会えない場合に必要です。弁護士または弁護士以外でクロージングに立ち会える人に、自分に代わって書類にサインをしてもらえるよう、あらかじめ委任状の手配をしておきましょう。委任状には公証(Notary Public)が必要で、日本ではアメリカ大使館か公証人役場、アメリカではNotary Publicの資格を持ったところならどこでもできます。日本の公証人役場で行う場合はAppostilleと呼ばれる英文の書類が添付されていることを確認しましょう。

物件の最終点検(Inspection)

クロージングの約1週間前―前日の間に、物件の最終点検を行います。新築(スポンサーセール)の場合は塗装や床のきずなど細かいところまですべて売主が修理してくれますが、転売で個人の売主から購入する場合、機械類がこわれている場合のみ売主の責任となります。クロージングが終わって実際に入居してから壊れていることに気づいても、売主の責任ではなくなります。エアコン、冷蔵庫、皿洗い機、オーブン、電子レンジ、トイレ、シャワー、インターカムなど、すべて実際に作動させて点検しましょう。

⑧Closing(最終引渡し)

買主は売主に残金を支払い、引き換えに売主は買主に物件譲渡証(DEED)と鍵を渡します。この行為には売主、買主、それぞれの弁護士、タイトルカンパニー、モーゲージカンパニーあるいはその弁護士、不動産エージェントが立ち会います。

当日用意するもの

  1. チェック

    購入代金、諸費用などのチェックを弁護士の指示により用意します。通常、高額のチェックはBANK CHECK又はCERTIFIED CHECKで必要となりますので、前日あるいは当日銀行で用意しましょう。

    少額のチェックは普通のパーソナルチェックで済ませられますから、チェックブックを持参し、クロージングの席でチェックを切ります。途中でチェクの数が足りなくならないよう、十分なプランクチェックを用意しましょう。

  2. 写真付ID

    本人である証明としてパスポートか運転免許証を御用意ください。

残金支払い

通常手付金の10%は売買代金の1部として充当されますので、売買価格の残りの90%を支払います。

諸費用の支払い

タイトル調査代、弁護士費用、その他の諸費用をすべて清算します。

鍵の受け取り

ドアの鍵とメールボックスの鍵がそろっていることを確認しましょう。ドアの鍵は新しいものに取りかえるのが一般的です。

クロージングメモの保管

契約書やタイトル調査結果、クロージング関連費用をまとめたクロージングメモが、クロージング後弁護士より送られてきます。税金申告時、売却時などに必要になってきますので、大切に保管しましょう。

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