フィリピンの産業について

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フィリピンの産業について

フィリピンは大小7,000を超える島々から成り立つ国で、その豊富な自然を活かし農林水産業が最も盛んな国です。更に近年ではその語学力(英語)をアドバンテージとしたサービス業が急速に増加傾向にあります。このため、雇用機会も増えており失業率も徐々に減少しています。

増えるサービス業

もともと、フィリピンの主要産業といえば農林水産業が最も盛んでした。
大小さまざまな島で構成されているフィリピンには豊富な熱帯雨林が数多く残っており、その地形と特性を生かしココナッツ、バナナ、パイナップル、その他果実の栽培、収穫、加工などを得意としてきました。

近年は急速な経済の発展にともない、コールセンター事業等のビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)産業を含めたサービス業が大きく成長しています。
フィリピンでは英語が公用語ですし、過去の植民地時代の支配も影響し多くのフィリピン人は英語が堪能です。
そのうえ、平均賃金は欧米諸国の1/5ともいわれており、現在欧米諸国の英語圏の企業は賃金の安いフィリピンにそのコールセンターの拠点を構え、いまや激戦区となっています。
特に米国企業の場合、実に30%の企業が同国にコールセンターを置いていると言われています。

現在、フィリピンでこういったBPO産業に就いている人は2015年1月の時点で全就業人口の約40%。もはや現在のフィリピンではこのBPO産業は主要な産業となっており、農林水産業と共にフィリピンの経済を支えています。
こういった国内での雇用機会の増加に伴いの失業率も年々減ってきており、リーマンショックなどの世界の景気動向に左右されずに就労者は年々増えフィリピン統計機構によると2015年1月時点での失業率は6%台にまで下がりました。

また、フィリピン経済を支えるものとして出稼ぎ労働者による外貨送金を忘れてはなりません。実は、フィリピンの貿易赤字はフィリピン人の出稼ぎ労働者の送金に支えられた経常収支の黒字によって相殺されているのです。
フィリピン政府によれば、海外で働くフィリピン人は現在1,000万人以上、フィリピンの全人口1億人弱ですから、全人口の一割以上、10人に1人以上は海外就労をしていることになります。主な行き先としては米国がトップで、次に中東諸国であり、業種としては家事労働、船員、エンジニア、看護・介護、観光産業が多いようです。
フィリピン銀行によるとそんな彼らからの国内への送金額は年間243億ドル(約3兆円)と国内生産(GDP)の1割に相当しますので、どれだけ経済を支えているか分かるでしょう。ちなみに、この年間送金額は銀行送金のみをカウントしており、実際に海外で出稼ぎをしているフィリピン人が帰国した際に自分で家族に手渡しする現金を考慮すると実際はこの額の倍の金額になると言われています。

注目されるカジノ産業

現在フィリピンでは、コンドミニアムの建設ラッシュと併せて、新しく世界最大級のカジノリゾートの開発が進行中です。
これは、観光業をもっと活性化させるために政府が打ち出した計画で、マニラの国際空港から3キロほど離れたマニラ湾沿岸パラニャーケの埋め立て地の総面積120ヘクタールにも及ぶ広大な敷地に4つの大型カジノのほか、ショッピングモール、レストラン、5つ星ホテル、スパ、劇場、高級コンドミニアム、コンベンションセンターなどを作るというものです。

日本のホテルオークラも2018年に開業する予定です。
また、空港からのスカイウエイの建設も現在急ピッチで進められ2017年に完成予定、その他モノレールの建設計画等インフラ事業にも力を入れています。
これが全て完成すれば、あのラスベガスやマカオよりも更に大きい、世界最大級のカジノリゾート「エンターテインメント・シティ・マニラ」が完成する予定です。

現在はその一部が完成しており既に営業を開始しております。
既に営業開始しているカジノの一つ、シティ・オブ・ドリームス・マニラにおいては、ドリームワークス・アニメーションが世界で初めて手掛ける屋内テーマパーク「Dream Play by DreamWorks(ドリームプレイ・バイ・ドリームワークス)」が正式オープンしたことにより、ますますこの複合リゾートが世界から注目を集めています。
2015年3月のソフトオープン以来、既に想定来場者数を超える高い人気を博しています。
カジノ産業は新たな成長の柱として、フィリピン経済に大きな経済効果をもたらすことが期待されています。

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